最近読んだ本 209冊目「乱歩賞作家赤の謎」

乱歩賞作家赤の謎 (講談社文庫)

乱歩賞作家赤の謎 (講談社文庫)


乱歩賞を受賞した作家さんの短編集。



「密室」作ります 作:長坂秀佳
居酒屋で意気投合したメンバーたちが密室の謎を解いていく話。最後にメンバーの一人が殺害されますが、真実がちょっと重すぎたかなぁという印象。話自体は楽しかったですけどね。



黒部の羆 作:真保裕一
以前読んだことある短編集にも収録されてました。ちょうど先週読んだ「生還者」と似たような構成の話。元山岳警備隊だった山小屋の管理人が冬になる前の下山をする直前、前日登山にきた若者二人の遭難を知り、若かりし日の自分を思い出して危険を顧みず二人を助けにいく話。管理人と遭難者の状況を交互に進めているのですが、最後に「おぉ」と驚かされる構成になってます。




ライフ・サポート 作:川田弥一郎
末期がんの患者が以前養子に出した我が子に遺産相続をさせるために医者を帯同させながら子供を探す話。こちらも推理ものとしては中々おもしろかったです。



家路 作:新野剛志
父親と絶縁状態の主人公は、恋人とケンカした帰り道に見知らぬ男に刺される。男は3年前に殺された娘の仇として主人公を狙ったらしい、が身に覚えのない主人公はいやいやながらも故郷に戻り男が自分を刺した動機を探ろうとするという話。
主人公の葛藤は、頭では理解できても心では納得できない、という共感しやすいものでした。ただ最終的に周りが良い人ばかりでちょっと拍子抜けはしましたけどね。




二つの銃口 作:高野和明
猟銃による通り魔事件の犯人が逃げ込んだ学校で犯人を追ってきたという男と二人きりになった清掃業務をしていた主人公。持っていた携帯ラジオから犯人は二重人格者と知り、犯人を追って来たという男が犯人ではないかと疑うようになり・・・という話。
二重人格という設定をうまく生かした秀逸作品だと思います。ボリュームは他の作品より少なめでしたけど、一番面白かったですし。こういう読者を「あっ」と驚かせる話を思いついたときの作者さんってきっとどや顔なんでしょうねぇw